第六章   季節の移ろい

北海道旅行から半年が過ぎた。

季節は夏から秋へ、そして冬へと移り変わった。木々の葉が色づき、やがて散っていく。その変化を、私は母と一緒に見つめていた。

「紅葉がきれいね」

近所の公園を散歩しながら、母が言った。イチョウの葉が黄金色に輝いていた。

「うん。毎年見てるけど、やっぱりきれいだね」

「来年も見られるかしら」

母の言葉に、私は少しドキッとした。

「見られるよ。一緒に見よう」

「そうね。約束よ」

母は笑って、私の腕を取った。その笑顔は、いつもと変わらなかった。

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