亡き魂をなぐさむ供物ありしゆゑ
群れる鴉は人を恐れず
岩山をくだれば宇曾利湖さざ波の
よする浜にも供花は置かれて
ふれふれときけばきこゆる奥山に
赤翡翠の雨よぶ声す
*赤翡翠 南方から渡ってくるカワセミ科の夏鳥。
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
亡き魂をなぐさむ供物ありしゆゑ
群れる鴉は人を恐れず
岩山をくだれば宇曾利湖さざ波の
よする浜にも供花は置かれて
ふれふれときけばきこゆる奥山に
赤翡翠の雨よぶ声す
*赤翡翠 南方から渡ってくるカワセミ科の夏鳥。