【前回の記事を読む】高校時代の同級生が自殺した。「この高校は真面目な男子が多く、風紀も良い」と語られていたが——

第1章 中学・高校編

同級生の自殺と浪人生活
「やっぱ努力なんだよな!」

わが校の大部分を占めていたであろう、中(ちゅう)の少し上クラスの子供たち。優秀とは言いがたいが、そうかと言って落ちこぼれでもない。金持ちでも貧乏でもない、

公務員や教員など一定の職種の家に生まれ、親の言うことを素直に聞き、それほどの挫折を経験せずに育った中間層たち。

少し学ランを着崩すか……、なんとなく髪型をいじるか……、としか個性を見出せず、こだわりのないその他大勢的な価値観の支配する年代。

自習という時間が与えられれば、しっかり自習をするような高校だった。

「生徒の自主性を重んじている」と言えば聞こえはいいが、要するに冒険をしたり破天荒をしたりということのできない人種の集まりだった。

教師陣にも、それほど覇気(はき)を感じなかった。〝文武両道〟なんてことがスローガンになっていたが、はっきり言って、がんばる生徒が勝手にがんばっていたようにしか、僕の目には映らなかった。

そんな中途半端な進学校だったので、なかには東大に進学するようなものから高卒に留まるものまで、能力的にはさまざまな生徒が存在していた。

だからこんな僕でもたいして浮きはしなかったし、底辺の集団に属していても安心できた。

何が言いたいかというと、高校に対しては、いっさいの不満はなかったということだ。

そういう意味では、平和で幸せな高校生活と言えたかもしれない。

そんな男子校から自殺者が出た。