学校職員や教育委員会、PTAなんかはひっくり返ったのではないか。
ただ、僕らは、「同級生が自殺した」という情報が舞い込んだとき……、不思議なことに、それほど不自然に思うことはなかった。
「そうなんだぁ」くらいの感じ方しかできなかった。
葬儀に参列すべく、クラス全員で彼の家を訪ねることが通達され、受験シーズンを終えたクラスメイトが久しぶりに一同に会することになった。
そこは、合格組と浪人組とのはっきりとした明暗の分かれた立場の人間たちが集う、そんな再会だった。
多くの生徒は、他人のことなど構っている時期ではなかった。合格組は、大学生活に向けて希望に溢れる一方で、僕のような浪人組は明日からの身のフリを考えていた。
〝青学〟への進学を決めたヤツの浮かれたような態度に、僕はほのかな嫉妬を抱いたことを覚えている。
漫然とときを過ごしてきたなかでの、はじめてのちょっとした挫折だった。乾いた虚無感のなかで、僕は同級生の死を、どこか遠くの出来事のように感じていた。
来年に向けての気持ちの切り替えと予備校へ通うための算段を練るなかで、「意外と簡単に人が死ぬこともあるんだな」なんてことを漠然と思っていた。
担任教師からは「自殺はよくない」なんてことが語られたが、僕のような個性のない人間は、自殺をするような度胸も念慮もなかった。