4ヵ月で退院し、9月から又、大学へ戻った。相変わらず授業は退屈だ。
だが以前誘われていたテニス部に入部した。
ハードなテニスの練習で入院生活で鈍っていた体も元気を取り戻した。
練習が終わると先輩がアサオを喫茶店や雀荘に誘った。アサオは見る物、聞く物皆新鮮で喜んでついて行った。
先輩がタバコを吸うとアサオ達一年生はポケットからマッチを取り出し、先を争って両手を添えて火を点けた。コーヒーも食事も皆先輩がおごってくれた。麻雀の基本も手に取るように教えてくれた。
アサオはメキメキと麻雀の腕を上げ、もう誰にも負けない程、腕を上げ強くなっていた。
その頃、知り合ったのが、テニス部の一年先輩のMさんであった。
何かとアサオに優しかった。二人だけで何処へでも連れて行ってくれて、ご馳走してくれた。アサオはMさんに夢中になった。
ある日、Mさんの友人が所属する、アングラ劇団に誘われ、その劇団の合宿へ遊びに行った。公演が近いので、猛稽古をやって居て、アサオもMさんも劇団の仕事を手伝った。
「物狂いお七」という出し物で、上半身裸の女性お七が縄で縛られて、刑場へと向かうラストシーンは圧巻であった。
アサオは段々、金遣いが荒くなり、月3万の仕送りではやって行けなくなりバイトをする事にした。
ミニクラブ「ラブラブ」でボーイの仕事を見つけてきた。水商売をやり出してアサオは洗練されてきた。
ベルトレスのスラックスをはき、スエードのブルゾンを着て、大学生という事でホステスからはチヤホヤされ、店が終わるとホストクラブだ、サパークラブだ、と遊びに誘われ、アサオも段々遊びに没頭していった。
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