【前回の記事を読む】「人はここまで人の手を借りなければ生きられないのか」78歳で入った私が老人ホームで突きつけられた現実とは
第三章 老人ホームを終の棲に決めたのは
ひとりの思いから
今では多くの行政からの支援もある。『終の棲 Ⅳ』では老々介護をした私の同級生の赤裸々な体験を書いた。「介護」のアンテナを張った私の元には様々な情報が集められた。
しかしそのどれもが家族がする介護を支持するものではなかった。それでも私には一抹の不安は残った。「類は友を呼ぶ」と言われるムキが私にはあるのではないかという思いである。
そんな時、新聞の広告で見た和田秀樹氏の著書『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)の中に、極上の生き方は「死に場所」で決まる──在宅介護より施設をすすめる理由を見つけ、第三者の人の見解を知りたくて早速この本を購入。
『終の棲』は「情報収集と体験入居で慎重に選ぶ」の章から引用させていただく。
内実はさまざまで、たとえば昔、精神病院だったところを介護施設に転換している場合もあります。
そういう施設のなかには、昔の文化がしみついていて、患者さんを粗末に扱うのが当り前になっていたり、高齢の入居者に向かって○○ちゃんなどと呼びかけたりするところもあります。特養でも、そういったおかしな施設はいっぱいあります。
もちろん高齢者の気持ちに寄り添った介護をしているちゃんとした施設もたくさんあります。
たとえばベネッセの福武總一郎さん(現・名誉顧問)は教育産業で手腕を発揮されていたのに、年を取るにつれて自分にとって理想の介護施設をつくりたいと考えるようになり、介護事業に参入したと聞いていますが、私が知る限り従業員をしっかり教育されています。
中略
終の棲家を老人ホームにすると決めたら、ネットでもパンフレットでも口コミでもいいから、できるだけ多くの情報を集めて、希望に近い施設をピックアップする。
調べられない部分は、直接施設に問い合わせたり見学させてもらったりするといいでしょう。民間の施設の場合、「体験入居」というシステムがありますから、それを必ず利用することをおすすめします。