畳の床から身体を上げ、テーブルを前にあぐらをかきながら、翌日の計画を練る。

今日は水曜日。水曜日の十三時に遥香の家を訊ね、十四時に家を出た。

僕が幼き日の遥香の写真を眺めていたときに、老婆が口にした「そろそろ帰ってきちゃうから」というあの言葉、あれは遥香が帰ってくることを意味しているに違いない。

遥香は水曜日の十四時に家に帰ってくる。普通に考えると、一般企業に勤めているとは考えにくい。高校卒業後、地元の大学や専門学校などに進学したのだろうか。

老婆が帰ってくる時間を予想できたのは、ある程度スケジュールが決まっているからだ。

フリーターの線は考えにくい。シフト制の仕事なら、遥香の行動を把握するのは不可能に近い。三年前の遥香を思い出しながら、遥香の今の生活を考える。わからないならば、遥香の家をずっと張り込むか?

いや、そんなことをして、両親にバレたらとんでもないことになるし、そうならなくても近所の住民に不審者だと疑われれば、通報されて警察沙汰になってしまう。

何度もアイデアと想像を巡らせた頭は、あっちに行ったり、こっちに来たりを繰り返している。結局、明日の十四時以降を狙って再度緑川家を訪問することにした。

遥香の行動はまったく読めないが、今日の十四時に帰宅したのであれば、平日である明日も同じ時間に帰宅するのではないかと考えたのだ。探偵でなければ、警察でもない。素人の真似事に過ぎないが、素人なりに上手く推測できたようにも思える。

金曜日には大学に登校しければならない。土曜日にはアルバイトのシフトが入っている。ここを逃したら、当分この地には来られないだろう。チャンスは明日しかない。

計画を練り終え、他に大してすることのない僕は、早めに就寝することにした。