まえがき

フランスを初めて旅したのは1979年のこと。2歳と7歳になったばかりの二人の娘との1か月弱のフランス、スイスの旅だった。それから40年近く、独り旅をメインに、時には絵描きの夫や下の娘を同行して旅を重ねてきた。

もともとフランス文学や哲学を愛読し、大学でも専門ではないが仏文や仏語のクラスに参加もしていた。

何よりフランス政府観光局六本木事務所(当時)の『生きることを楽しむ国』というテーマに強く同感していたのである。

気ままな旅を通しての人との出会いは、主に10年前に出版した『カフェの国・風の出会い』『カフェの国・風と光と石畳』(講談社出版サービスセンター刊)2冊に書いた。

今回は人との出会いだけでなく、フランスの旅で感じた諸々のこと、文化の違いに驚いたことなどを書いている。

特に実感したのは、個々の人の働き方における人間性だ。

「人権の国」をうたうことだけある。規則のみにとらわれるのではなく、人間としてある部分、個人の自由で仕事をとらえているのだ。日本人から見れば驚かされることもあるが、個人の自由と責任で仕事をしていると感じたのである。

「フランス人は個人主義で冷たい」とか思う人も多いかもしれないが、私は彼らの温かさや優しさに助けられもした。

議論や文句も言ったけど、フランス大好きの私の旅の体験を通して「フランスを旅したい」と感じてくださったなら幸いである。