【前回の記事を読む】図面検証とDR導入で設計品質はどう変わったのか――7年間の指導で不良金額を40分の1に削減した改革
1章 嘱託での設計品質改革指導
(優れたDR体制を構築、運用し企業の品質改革を促進)
1章-3 設計品質に関連する余談
次に『日経ビジネス』(2002年6月24日号巻頭言、日経BP社)に記載された記事を紹介します。当時 石川島播磨重工業(現(株)IHI)相談役 武井俊文氏談話 設計不良に苦しまれた話です。
劣る設計品質は管理者の図面盲サイン:武井氏の文面、嘱託業務開始3カ月後に読み、設計者全員に回覧しました。
話された内容はその通りですが、「はい分りました」と言って対応できる人はほとんどいません。長い間、図面照査・承認作業を続けてきた管理者には、何を変えればいいのか分らないのです(構造を確認せずに図面を承認。職位が盲サインさせる)。
IHI社の製品は試作品の分解確認ができない重工業分野です。管理者が開発品の構造を理解することは難しいと推察します。その後3D CAD(立体製図器)の進化に伴いCAD上での構造検証が可能になりました。その効果が生まれてきたと想定します。
嘱託最初の設計品質改善:文書回覧半年後、私に「図面検証を行え」と指示がありました。武井氏談話を回覧したのだからお前も成果を出して見せろ……と言いたかったのかどうか。
2003年1月~10月まで20新モデルの構造を確認しプレス図面検証を実施した結果、設計不良金額を1.3億円強から5千万円強と、前年度比8219万円も不良を削減する成果を出しました(設計管理業務が盲サイン状態な事を組織に認識させました)。
従来の設計管理者とどこが違ったのでしょうか。私は設計者に必ず試作品を持参させ構造を確認して設計意図を読み、構造(理論)問題はOKか、機能(働き)に合う部品形状や寸法か、安価な設計か等を確認しました。部品図面上からは製品構造や機能意図を読めないのです。
これは、設計者が作成した図面を照査、承認する管理者の業務です。図面だけを見てサインする管理者は製品に求められる構造・機能の妥当性を評価できません。単に「製図規定に合っているか、寸法記入漏れがないか、注記の誤り有無」など、作図上の課題指摘に留まります。
6章-2の図示構造は悪い形作り設計を管理者が課題を見抜けずに盲サインしています。この製品は、立上げ動作終了直前の負荷増大や意地悪操作で噛合いが外れ、市場不良多発と想定。