初めてソムリエに出会う
ディ・モンテフィアスコーネ
イタリア/ウンブリア
残業が多くて通勤が困難になったため、2006年の夏に、3年住んだ鶴見のマンションを賃貸に出して東京都台東区の浅草橋に引っ越しました。
自宅マンションの隣のビルの地下にイタリアン・レストラン、「バッカス」があり、間もなく行きつけの店になります。
その店でもスパークリング・ワインばかり飲んでいたのですが、あるとき、「たまには泡のない白でもいかがですか?」と勧められて飲んだのがエスト! エスト!! エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネでした。
私にとって、人生初の白ワイン。香りと味わいにものすごい衝撃を受け、「ビールとは別物だ」「これが白ワインか」と驚きました。今、考えると、このとき、「ワイン虫」にガッツリ噛まれ、甘美な毒がじわじわ全身に回ったように思います。
あとで調べたところ、このワインには有名な由来話がありました。「エスト」はラテン語で「ある」を意味します。今から1000年前、ある司教様が総本山のバチカンへ旅行した際、従者を先に行かせ、各地の美味しいワインを探させたそうです。
司教様がモンテフィアスコーネの街に入ると、宿屋の壁に「エスト! エスト!! エスト!!!(日本語なら、「ある! ある!! ある!!!」)」と大きく書いていたとのこと。従者は、とてつもなく美味しいワインを見つけ、興奮のあまり3回も書いてしまったのでしょう。
話半分にしても、実際に飲むと軽快で口当たりが良く、柑橘系の香りが爽やかで、冷やすとスイスイ飲めます。食べ物の邪魔をしないところも素晴らしい。
「派手なラベル」「長い名前」「大袈裟な由来話」の割には、お店でいちばん安く飲めるワインでした。あとから聞くと、この3つの要素がそろった廉価版ワインはイタリアによくあるそうです。
例えば、ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェスーヴィオ・ビアンコは「キリストの涙」という意味で、1本2000円前後。
堕天使ルシファーが天国の一部を持ち去ったとき、その一部をナポリに落としてしまい、キリストがここを見て、天国の一部と分かって涙を流し、涙の跡に素晴らしいブドウが生えたとの由来話があります。
(1)スパークリング・ワインは、炭酸ガスをどのように入れるかで、次の3つの方式があります。
①出来上がった白ワインに炭酸ガスを吹き込んでから、ボトルに詰める方式、②タンクで二次発酵させ、二次発酵でできた二酸化炭素を含むワインをボトルに詰める方式、③1本ずつボトルの中で二次発酵させる方式。いちばん面倒だけれど、泡が細かくて美味しいのが③の方式。
シャンパーニュとカヴァは全てこの方式で造ります。
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