【前回の記事を読む】日本人は"同調"と"協調"取り違えている。——協調とは力を合わせて事にあたること、同調とはある意見を持つ人と…

第4章 3Dデータ活用と集団脳

3D活用で実践するデジタル擦り合わせ

製造業では製品の開発や製造の基盤システムとしてPLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル管理)システムが導入されてきた。

その中核にあるのが3D CADであり、設計部門での3D設計が進んだことで、解析や加工などへの3D情報の活用は進んだ。

これを全社、さらには企業を超えたレベルでの3D情報の共有と活用まで進められれば、もっともっと集団脳を利用することができるだろう。

実機の双子となるデジタル情報である3Dデジタルツイン、これを利用すれば、実機がなくても製造やサービス視点でデジタルに擦り合わせを実現することができる。

たとえばXVL VRにはVR体験を遠隔地で共有する機能が提供されている(QR13)。

国内外の拠点を結び、実機と同等の3Dデジタルツインを共有して、擦り合わせをすることが可能になっている。

コロナ禍では出張できない状況もたびたびあったが、そのような環境でも、3Dによるデジタル擦り合わせは集団脳を利用した設計品質の向上を実現できる。

3D活用で実践するデジタル現場力

次にユーザーである製造業の方々と取り組んだ各業務分野における3D活用について考えてみよう。

2000年代に3D CADが普及し始めた頃、CADの複雑な3Dモデルを軽量XVL化して製造現場に持っていくと、現場の方は、次に造る製品はこうなっているのかと喜んでくれた。

しかしその後、業務には使ってもらえなかった。なぜなら、そのCADモデルを忠実に再現する3Dモデルは現場の方が見たいモデルではなかったからだ。