「わあ、まるで一流ホテルの客室みたいじゃない」

麻利衣は3つ並べられたうち真ん中のベッドの上に飛び乗った。部屋はベッドを3つ並べても十分なスペースがあり、バス、トイレも完備されていた。

「小佐々グループの元会長ともなると海外からも賓客がたくさん来るだろうからね。だからホテルみたいな設備になってるのね」

千晶は入り口側のベッドを陣取り、賽子は窓側のベッドの上に胡坐をかいて瞑目した。

「ところで賽子さん、賽子さんは本当に超能力者なんですか?」

千晶が不躾に質問した。

「何度同じことを言わせる」

賽子は瞑目したまま憮然として答えた。

「いつから超能力に目覚めたんですか?」

「生まれた時からだ」

「おいくつなんですか?」

「28歳」

「お生まれはどこですか?」

「日本」

「ご学歴は? 大学は行かれたんですか?」

「私は国際超能力研究所を卒業した。学歴はそれで十分だ」

その名称を聞いた時、麻利衣はびくっと震えた。国際超能力研究所――。

「まだ独身ですよね。彼氏とかは……」

賽子がいきなり立ち上がったので千晶の質問は途切れた。

「どこに行くんですか?」

麻利衣が訊いた。

「ここにいたらろくに瞑想もできない。周囲を散歩してくる」

そう言うと賽子は部屋を出て行ってしまった。麻利衣と千晶はきょとんと顔を見合わせていたが、何故かお互い失笑してしまった。

次回更新は1月30日(金)、21時の予定です。

 

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