だからこそ、いつか必ず来る「諦めが必要な場面」に備えて予防策を講じておこう。

人生において完璧な対策は存在しない。だが、常に先を見通して、早め早めに出来る限りに手を打っておこう。そして、計画を常に小さく修正し続けよう。

いわば、前向きに「諦める」のだ。これも、幸せになるためのコツである。

とはいえ、筋トレの場合、ある程度まで筋肉を付けなければもったいない。始めたのならば、せめてだるだるの体型を改善して、自分が「筋トレを頑張ってこんなに変わった!」と言えるまでは続けよう。

その自信は、人生の財産になる。

さて、この7章では、筋トレを続けつつ、社会の中での自分の立ち位置を確保していくやり方や心の在り方について説明してきた。最後に、私の筋肉人生と、計画を修正した(諦めた)話をお伝えしたい。

私は高校時代から筋トレマニアであるので、おそらく参考にならないとは思う。ここは飛ばしても構わないが、筋トレをする人間の思考というサンプルにはなるだろうから、一応記述しておく。

高校時代、痩せ型で自信がなかった私は、ベンチプレスにハマった。ベンチプレスとは、重りを持ち上げる筋トレである。高校1年冬から約2年で、50kgから135kg、ギアという補助器具を使用したベンチプレスでは157.5kgを持ち上げられるようになり、年齢別の日本記録を樹立した。

当時どのくらいハマっていたかというと、2年近くで25kgほど体重を増やしたくらいである。そのために、常に満腹でプロテインを飲む度に嘔吐感を堪えていた。そんな日常を送っていた。

やがて独り暮らしを始めると、家に公式のベンチプレス台を用意した。そしてほぼ毎日のように、ベンチプレスと戯れていた(エブリベンチと呼ぶトレーニング法だ)。