【前回の記事を読む】「なにそれぇ~。恐竜みたいで気持ち悪い。こっち向かんといてー」この家族内では、ストレートパンチしか飛んでこない。

5章 私の家族

姉と弟はいつも私を優先してくれていた。そのために友達たちと遊びに行けなかった。外泊した時も同じだ。二人はすべて私の都合に合わさなければなかった。

弟が手足口病になった時、私に伝染ってはいけないと弟は無理矢理入院させられた。しかし、二人は私に愚痴や怒りを一度もぶつけたことはない。姉と弟には本当に申し訳なかった。

だが、私が病気になったことについて、二人とは一度も話したことはない。私が「病気になってごめん」と言ったこともない。二人も「大丈夫。迷惑なんて思ってないよ」のような湿っぽい会話は一度もしたことはない。

仕方のない事なので、姉弟間の暗黙の了解になっている気がする。

姉は独立した決断力のある女性だが、弱虫さんなところもある。嫌なことは後回しにする。注意される事が嫌いで我が道を行く。そして、人目を全く気にせず自分の気持ちを大事にできるカッコいい人だ。

姉は私を客観的に見られる、正直に厳しく注意してくれる私のアドバイザーだ。そして、「働かざるもの食うべからず」の姉の精神で、できることは私にさせた。

私が困った時は、姉は絶対に救いに来てくれる味方だ。姉は口数が少ないが、こっそりと優しい人だ。

弟は元気な笑顔がカッコよく賢く思いやりがある。いつからか弟が兄のようになり、まれに励ましの言葉をくれる。

弟が私のために何かをしてくれ、「めっちゃありがとうな」と言うと、弟は「ほんまやでぇ、もっと感謝しろ」と笑ってくれる。どんなに忙しくても、私が弟を必要とした時は必ず時間を取ってくれる。