昔も今も、この矛盾は変わらない。私は父に過保護にされ愛されているのだ。

母はパワフルな厳しい人だ。警察病院で若年性多関節リウマチの症状が顕著に現れ始めた時、特に指の関節に痛みがあった。ご飯をスプーンで食べていたら、「箸を使いなさい、努力をおこたりなさんな」、「人の何倍もかかってもいいから」と。

阪大病院では、私は激しい関節痛に襲われ泣いていると、母が「泣きなさんな、泣いても痛みはようならへん」と喝を入れてくれた。阪大病院で三年間も付き添ってくれた母に感謝している。

後に話すが、私がアメリカ留学をしたいと言った時も、母が父を説得してくれたそうだ。母の優しさは厳しい。私の勝気なところは母譲りかもしれない。

私は姉と弟にも過保護にされ愛されている。阪大病院入院、私が外泊できない時は、二人はバスと電車を乗り継いで会いに来てくれていた。時々持ってきてくれるハンバーガーショップで一緒に食べるのが嬉しかった。

そして、二人の学校生活の話を、絵本を読むようにワクワクしながら聞いていた。

私の好きな話題は体育と給食の話だった。給食を食べられる二人が羨ましかった。私が一時退院していた頃、姉が人気メニューのマグロの竜田揚げを作ってくれた。あまりの美味しさに驚いた。

後にも先にも、この竜田揚げが私の食べた唯一の給食だった。

私は友達を一度も欲しいと思ったことがなかった。なぜなら姉と弟が友達だったからだ。

次回更新は12月17日(水)、18時の予定です。

 

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