そういう状況で、なぜ「30番台教室自主使用」が行われたのかを一般学生に訴える必要があった。そして、大学当局による「過激派」という一方的なレッテル貼りや民青の反暴力キャンペーンに対抗して、一般学生にも「部室のないサークル問題」という本質的な理解をしてもらう必要があった。

そのためには、自らの身体をかけた非暴力的な抗議の仕方が、問題の本質を明らかにしてくれるはずであった。

その意味でハンガーストライキが、「部室のないサークル」の問題を余計な先入観なしに広く理解してもらうための、とても大切なアピールになるはずであった。

その前に、私たちにはやるべき重要なことが残っていた。私たちは、まず、被処分者に、ハンガーストライキをすることを了解してもらう必要があったのである。もし、被処分者に理解してもらえなければ、単なる自己満足的で、一方的な押しつけとなってしまう。私たち「濫觴同人」は、4人で被処分者に会いに行った。

「実は、僕たちは、今回の処分に抗議するためにハンガーストライキをやろうと思っています。それで、被処分者の人たちと話をしたいと思います」

「何だって? どういう理由でやるんだ?」

「さっきのフラックでもあらゆる闘争形態でもって戦う、という話が出ていました。僕たちみたいな戦いの表現があってもいいと思う」

「もう一つわからない。ハンストもいいけど、俺は、もっと違った形での表現形態をとってほしいな。例えば、授業に入っていくとか、集会をやるとかあると思う」

「僕たちもそれも考えたんです。でも、僕たちは、常に学生大衆でありたいと思うし、それ以上でもない」

「確かに俺もそうだ」

「それで考えたんだけど、僕たちが学生大衆であるためには、全き自己を賭けてやるしかないと思うんです。僕たちは、前衛ではないし、前衛にはなりえない」

少し間をおいて、彼は言った。

「それなら、まあやってみたらいい」

私たちの無期限ハンガーストライキは、9・10学生大会が始まる2日前から始まった。

 

試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

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