娘が2歳頃に、私が机に模造紙を広げ、そこに小麦粉で作ったフィンガーペインティング用のピンクの絵の具をのせ、「触ってもいいよ」と言うと、すぐに手で触れ、遊び始めました。最初は、両手の指先で絵の具を回すようにしていましたが、しばらくすると身体を机の上に乗り出し、顔を絵の具にこすりつけるようにして遊び始めました。

これにはビックリしました。手だけではなく身体全体で感じ取りたかったのでしょう。その姿は想像していませんでした。これも発見でした。

②いきあたりばったりのスクリブルの段階

最初のスクリブルは、いきあたりばったりです。手の動きと、それに応じて紙に表れる点や短線を見ることは初めての体験ですから、スクリブルの結果がどうなるのかを楽しんでいるのです。周囲の大人は、それを見守り続けることが大切です。

最初のスクリブルは、点であったり、短線であったり、肘を支点とした、横に往復する振幅線であったりします。手の動きのコントロールが取れなかったり、目と手の協応関係が見られなかったりと、まさにいきあたりばったりです。

でも、子どもは、それを楽しんでいるという理解が大切です。そして、その結果に共感してあげてください。「あっ、点だね!」「面白い線だね!」といった具合に、描かれた線の特徴に共感することが、子どもとのコミュニケーションになります。

そのことは、スクリブル自体を励ますことになります。ただ、ずーっと言いっぱなしでは、うっとうしがられます。適度な共感がいいと思います。スクリブルに集中し始めたら、時折、反応するだけで、後は見守るといいと思います。子どもが描いたスクリブルの絵を、時折、壁に飾ってあげることも励みになるかもしれません。

 

👉『なぜ、子どもはあのような絵を描くのか』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】突然死した妻の相手は誰だった?...自分の不倫はさておき、弔問客の中からやましい男を探し出す。

【注目記事】「俺をおいて逝くな…」厚い扉の先にいた妻は無数の管に繋がれていた…。