⬥ドタバタのパリ到着

フランスへは福岡空港からソウル経由でパリに向かった。会社からパリ行き片道の航空券を受け取り、パリ到着日一泊のみ予約したホテル名の連絡を受けていた。生まれて初めてパスポートを手にしての海外渡航。しかも単独での出発。行き先はフランス。出国手続きも初めての経験。ドキドキしながらの搭乗だった。

今でもそうだが、福岡からヨーロッパに向かう場合、ソウルまたは上海経由の便を使うのが便利である。大きな荷物を持って国内移動する必要もなく費用も安くつく。その後も仕事での出張を除き個人でフランスに向かう際はこのルートを利用している。

ソウルでパリ行きに乗り換えると両脇に同世代の日本人の男女が座った。男性はワイン醸造の勉強に、女性はフランス語の勉強にパリに向かうとのことだった。この二人にシャルルドゴール空港からパリ市内までの移動手段を教えてもらった。

今ではスマホで簡単に海外旅行に関する情報が入手できる。空港の案内、空港から市内への交通機関、ホテルの予約、目的の都市までの移動手段等スマホがあれば何の心配もない。しかし40年前、1984年の時点でスマホはなかった。

フランス語会話学校でフランス語の勉強や神戸のフランス領事館で学生ビザの取得等と何かと準備に気ぜわしい毎日を送っていたこともあり、シャルルドゴール空港からパリ市内へ、また予約したホテルへの移動等については何とかなるだろうと全く調べていなかったので、この二人にはお世話になった。

その当時、パリ行きの便は途中給油が必要で、アラスカのアンカレッジ(アメリカ・アラスカ州にある港湾都市)空港経由だった。給油中、しばらく食べられないと思い空港内の食堂でうどんを食べた。あの時のうどんがまずかったことを今でも覚えている。

 

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