6-5.初心者でなくなったら?

筋トレをしばらく続けたら、あなたは「初心者」ではなくなる。これはいいことか? 実は、ジムに通っているならば、ジムの経営者からは煙たがられる存在になっている。

「え、マジ?」いやいや、そこで意気消沈する必要はない。あなたはスポーツジムのターゲット層からは外れたが、別に目の敵にされたり、追い出されるわけではない。

所詮その辺の一会員のことなど、誰も気にしていない。いつも通り、週数回通って筋トレを続ければよい。なんなら、そろそろ顔なじみが出来て、挨拶を交わすようになっているかもしれない。

さて、話を戻そう。筋トレ業界における最も重要な顧客は、初心者である。知識がまだ備わっていない初心者に、法外な値段のサービス、質の悪いサプリメントを売りつけようと、手ぐすね引いて待っている輩も多い。それは論外としても、やはり筋トレ業界の最も重要な顧客は、初心者であることは変わらない。

スポーツジムの、筋トレ業界の、メインの顧客は、初心者やこれから始めようと思っている人だ。運動が苦手な人、体型にコンプレックスを抱えている人なのだ。ジムの経営側からすれば、数回来ただけで後は幽霊会員になる人の数が多ければ多いほど、御の字である。

最近では、Netflixが自動解約サービスを始めた。ありがたいことだ。対して、多くのスポーツジムは自動解約システムがない。ジムは、Netflixの誠意が分かっていないのである。意志が弱く、退会の手続きをめんどくさがる、こんな人こそ最高のお客様なのだと考え続けている。だがそんな経営では、しっぺ返しをいつか受けることになる。

実際に、退会手続きをめんどくさがって行わなかった幽霊会員、月に数回しか利用しなかった会員、これらの層はコロナ禍をきっかけに無駄な支出を見直した。こうして、最高のお客様をあてにしていた複合スポーツジムは、会員数が激減して経営危機に陥っている。

次回更新は11月10日(月)、11時の予定です。

 

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