食べなかったらどうなる?

車を動かすにはガソリンや電気が必要であるように、お買い物をするためにお金が必要であるように、人が生きていくためにはエネルギーが必要です。

[図A]を見て下さい。人のエネルギー(ATP)は3種類の栄養素からしか作れません。

その3種類は糖質、タンパク質、脂質。これらは消化・吸収されて、身体が利用できる小さい単位、糖質はグルコースに、タンパク質はアミノ酸に、脂質は脂肪酸とグリセロール(日本薬局方名はグリセリン)に分解されます。

これらの分解された成分は、身体の細胞内にある「ミトコンドリア」という、エネルギー工場に運ばれます。

このエネルギー工場でATPという、起きている時も寝ている時も行われる体内活動に必要なエネルギーを作ります。

身体は、37兆個の細胞でできていると言われていますが、ミトコンドリアはこの37兆個のほとんどの細胞に存在しています。

グルコースは、細胞内でミトコンドリアに行く前に、解糖系というグルコースからピルビン酸を作る過程でもATPを作ります。

この過程は酸素がない状態でATPを作ることができます。短距離走や重い物を持ち上げる瞬間など息を止めて瞬間的に力を出します。

そのような酸素のない状態でもATPが作れるので、なくてはならない過程です。血糖値とは、血液中にどれだけグルコースが含まれているか、という濃度を示しています。

解糖系でグルコースからピルビン酸となり、さらに「アセチルCoA」となってミトコンドリアの中へと入ります。アミノ酸も脂肪酸も「アセチルCoA」に変換され、ミトコンドリアの中へ入ります。

そう、糖質もタンパク質も脂肪もみんな「アセチルCoA」になります。そして、アセチルCoAは「クエン酸回路」という一連の化学反応を始めます。

クエン酸回路という過程から作り出すATPは解糖系で作られるATPよりも圧倒的に多く(18倍)作られます。この過程には酸素が必要です。

クエン酸回路で行われる化学反応では、アセチルCoAから始まって、さまざまな化合物が変換され、最終的にはCO2とH2Oになります。

この一連の反応を通じて、エネルギーがATPの形で細胞に供給されます。

これが、私たちが食べ物からエネルギーを得る、言い換えれば、37兆個の細胞が細胞内にあるミトコンドリアからエネルギーを得て私たちが生きているということになります。

 

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