一部のユーザーには、中の人が男性であることが知られていたので、そこから更に『マンスプレイニングだ』という批判もある。
過去の投稿の中には『今日は家族サービスの日』『美味しいワインを頂いたので』という投稿もあり、岩下の尊大な性格と自己顕示欲の強さを感じられるSNSに仕上がっていた。
今回の炎上も、そういう普段の中の人の振る舞いが鼻についていたという書き込みが多く、それによって『中の人はミソジニーの男だ』『どうせ中年男』という決めつけが行われ、加熱したところもある。
「この、日常的なつぶやきっていうのは親近感を持ってもらう狙いでやるってことだったんだよね?」
「そうです。他社のSNSを見ても、中の人がちゃんとブランディング出来ていると強いと思ったので……」
過去の投稿には、写真を撮る際の左腕が映って、そのワイシャツの袖口やいかつい腕時計などから、既婚者で都内に住み、経済的ゆとりが男性だということを誇示しているという推測が記されたリプライもあった。
(これは、岩下君の性格をしっかり把握できていなかった私が悪いな……)
岩下は、実際このSNS更新の業務をかなり好んでやっていた。彼からこの業務を取り上げたらモチベーションが下がるかも知れないという危惧もある。実際、今SNSの投稿業務をこっちで引き受けられるキャパシティもない。
(こういう場合は、私も一緒にしばらくチェック入って様子見しつつ、が一番なのかな……)
1人体制に戻せるかどうかは不安だが、実際運用するより確認するだけのほうが工数は少なくて済む。
「一応、コンプラ部にも今回のことは共有して事例としてチェックしてもらうようにしよう。で、今後はしばらく投稿する前にどんな投稿でも必ず私に報告して欲しい。いい?」
「わかりました」
岩下は、やや不満そうである。今回の投稿がなぜ炎上したのか、あまり腑に落ちていないみたいだった。
「業務フローは岩下君が作成、私が確認。コンプラ部に広告審査依頼が基本、もし広告審査のない投稿であれば私のOKが出た時点で投稿可能、っていう認識だよ? いい?」
「はい」
「で、今回の投稿については削除して謝罪しよう。謝罪文はちょっと考えて、早めに提出してもらえる?」
「わかりました」
次回更新は10月16日(木)、11時の予定です。
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