【前回の記事を読む】お見合い相手を優先する彼氏に裏切られた私は目の前にいた男の背中にそっと手を回した
不可解な恋 ~彼氏がお見合いをしました~
「おはようございます」
できる限り明るく長澤さんに挨拶をする。
「ああ、おはよう。今日は真由ちゃんが体調を壊したらしくて休みだから、二人で乗りきろうな」
「そうなんですか? ……分かりました」
真由ってば、嘘ついて休むなんて……怒る気が失せて、呆れてしまう。
「あれ? キスマーク?」
「え?」
「首筋に付いてるよ。彼氏かなぁ?」
「やだ……、すみません」
南君ね……もう。
「いやいや、仲良き事は良い事だよ。で? 結婚とか話してる?」
「いえ、まだ」
「そうなんだ。俺なら亜紀ちゃんみたいな可愛い子、放っておかないのにな」
「あはは……この商品、店頭に出してきますね」
私はから笑いをして、長澤さんとの会話を終わりにした。
「ふぅ」
長澤さんって鋭いって言うか、突っ込んで話してくるから苦手だな……。