「えぇ！　どうしたの。お仕事は？」

「行けるはずないだろう。世の中で一番大切な人が側にいないんだから」

近づいてそっと抱きしめた。

「これから、君が勘違いをしている人に、確認をしに行くからね。許せないんだ。香子を傷つけた事が」

「その女性の会社へ？」

「そうだ」

「その人に、迷惑をかけるんじゃないの？」

「何を言っている！　傷つけられたのは、君だろう」

　

会社の車が迎えに来た。

「社長、急ですが、お休みします。大変重要な事が起きたので戦ってきます」

大きな会社の前で、車を降りた。秘書の高木(たかぎ)さんが、受付で話している。三階の応接室に案内された。

「高木は外で待機しておいてくれ、お茶なんかいらないから、人を入れないで」

女性が「丈哉、待った～」と素敵な笑顔で入ってきた。

次回更新は9月17日（水）、22時の予定です。

　

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