【前回の記事を読む】「あなたとの結婚生活が嫌でたまらなかった」――元夫への不満が爆発。「私をベビーシッター、介護ヘルパーだと思ってる」
第二章 愛の試練
「そのつもりで、尽くしてあげなさい」と会場に入っていった。
私はその場から、動けなかった。
「どういう事。私は便利な女?」
走馬灯のように、先日の事が思い出された。しばらくして、ホテルを後にしていた。
「気分悪いから、先に帰ります」とラインした。
「今、どこ?」
ライン。返信はしなかった。
七時頃家に着き、しばらく時間を置こう、と手紙を書いた。
「丈哉さんへ
しばらく時間をください。あなたのお知り合いで、凄く美人な方が、残業の時、あなたがホテルの部屋に来てくれたって言っていた。私に飽きているけど、お手伝いさんのように便利だから我慢しているとも言っていました。
私は丈哉さんにとって便利な女なのですか。
愛しては、いないのですか。
分からなくなっています。
少し家を空けます。丈哉さんも、よく考えてください。
離婚したいならそれでもいいです。 香子」
急いで家に着いた。電気はついている。よかった。帰っている。
「ただいま。香子」といっても返事がない。
「香子!」と探した。テーブルの上に手紙がある。ドキドキしている。
「何! 便利な女?」
最後まで読んで、ショックを受けた。こんなタイミングに! ようやく香子の心の傷がいえたこの時に! きっと、ルミだ。