2 日常生活の中で多くの動作を体験して習慣化へ
いつでも、どこでも必要なときに相応しい動作がすぐできることは生活にゆとりを生みます。
生涯において、いつどのようなことが起きるか予測はできないもので、“こんなはずではなかった”と思わぬ事態に遭遇するかもしれません。
とくに災害時に必要な動作は日常生活の中で育んだ対応動作があってこそ生死の分かれ目にも役立つと感じています。地震、火災、水害時の状況を想定して、日常生活で身につけておく体力、筋力機能として、安全な場所へ移動する動作は、低い姿勢で動くことです。
また、災害が収まってから少し離れたところに移動するときは、つかまる、抱える、またぐ、くぐる、乗り越えるなどの動作が必要なときもあります。
生活様式とともにからだづかいも変化して、動作の不足と過剰動作も気になります。停電で、電車など交通機関も止まり、暗がりで移動することもあります。そうしたときの頼りは自分のからだで、中でも、筋力、柔軟性、持久力が必要です。
日常生活では、基本動作と手段となる動作も身につけておくと、とっさの行動が可能になります。余裕力を保持しておくことを忘れないように心がけて過ごしましょう。
避難場所に行くにも、荷物を持って速足で移動する、階段を移動する、子どもや老人と一緒に歩くこともあります。日常生活の中の実用動作として身につけておくように習慣化し、日常生活動作として維持しておきたいものです。
楽な生活は知らない間に筋力、機能、体力低下を招いていることを自覚しておき、意識的に動くことを忘れないためにも、生活の中で習慣化しておくとよいでしょう。