母国語を豊かに使いこなせることは、自分が世界を眺める時のスタート地点ではないか。ボクには、ない。香港の政治的な激動も、他人事のように感じてしまう。どこにいても、誰に対しても、アウトサイダーっぽいんだ。
Keiさんが、テクノロジーに詳しいシュウトくんに訊く。
「いま、自動翻訳がすごい勢いで進んでいるよね」
「たぶん5年もしないうちに、対話や翻訳には困らなくなると思います。たとえば、話をするお互いの耳にイヤホンマイクみたいなものをピュッと挿しておいて、僕が日本語でしゃべると、相手の耳には英語で聞こえる。相手が英語でしゃべると、僕の耳には日本語で聞こえる。そんな商品が、すぐに出てくると思いますよ。妄想ですけど」
YOさんが横から話に入る。
「だったらさぁ。いま子どもに一生懸命、英語を習わせても、そりゃ電卓が出てくるのがわかっていて、そろばん塾に通わせるようなことにならないか? あ、ごめん、カップルさん。いやいやいや、否定するつもりはないんだよ」
次回更新は9月17日(水)、11時の予定です。
👉『これからの「優秀」って、なんだろう?』連載記事一覧はこちら