〇アッタロスのストア(列柱廊)
アゴラの北側の入り口を入るとすぐ左側に(アゴラの北東部)、前2世紀(前150年頃)、青年期にアテネで学んだペルガモン王アッタロス2世によって寄進された、ギリシアの遺跡でただ一つ完全に復元された建物アッタロスのストアがあります(長さ115m、幅20mの2階建ての細長い柱廊)。
外側には45本のドーリス式列柱、内側には22本のイオニア式列柱が立ち並び、柱廊の奥には各階に21、合計42の店舗が連なる大ショッピングモールでした。このストアの前が、アゴラ一の繁華街であったようです。
このストアは、ロックフェラー財団の資金を得て、アゴラを発掘したアメリカ古典学研究所の手によって、1952年から56年にかけて完全に復元されており、今は、アゴラのさまざまな出土品を展示するアゴラ考古学博物館として現代によみがえっています。


アテネ民主政のための諸道具
アテネ民主政の特徴は、現代の民主政と違って、将軍を除くほとんどの役職(官職)が抽選で選ばれる点によく表れています。
現代の高度に発達した官僚制に慣れた我々には、とても奇異にそして新鮮に感じられます。例えば、裁判所の陪審員(いわゆる専門家の裁判官はいなくて、全員がアマチュア)も抽選で選ばれ、複雑なそして巧妙な抽選システムで、陪審員の買収などの不正を防いでいました。
アゴラ考古学博物館には、有名な陶片追放(オストラキスモス)の陶片や裁判で用いられた水時計、珍しい抽選道具、そして数多くの投票用具など、アテネ民主政の実態を生き生きと伝える遺物が多数展示されています。
〇「陶片追放」(オストラキスモス)の陶片(オストラカ)
「陶片追放」の制度は、民主政の基礎を築いたクレイステネスの改革(前508年)の際に設けられました。
この制度は、僭主(独裁者)の恐れのある人物を、市民の投票(陶片などに記名)によって10年間国外に追放するものです。アゴラ博物館には、アテネの政治家として歴史上有名な人物ら(テミストクレス、ペリクレス、キモン、アリステイデス)の名前の記された陶片が展示されています。
なお、この4名の内、「陶片追放」によって追放されなかったのはペリクレス一人です。

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