ここで途轍という字をよく見てほしい。轍=キャリアであり、途は道の意味である。途轍という字は車の轍(キャリア)が通った道のことである。すなわち途轍もない世界とは轍の道がない世界、キャリアのない世界のことなのである。言い換えれば60歳からの人生はあてがいぶち(器)もないし、途轍(活動実績)もない世界なので、いままでの組織を軸にした生き方ではなく個を軸にした生き方をする、という気持ちの切り替え、気持ちの再構築つまりマインドリセットが必要になる。
次にキャリア=活動の中身について考えてみたい。活動の中身を考えるには二つのアプローチがある。一つはキャリア=活動の多面性・フェーズの問題である。二つ目は先ほど述べた外的キャリア・内的キャリアの問題である。
第2の人生のフェーズは大きく分けると職業キャリアと非職業キャリアになる。非職業キャリアは、継続学習活動、余暇活動、ボランティア社会活動などになる。第2の人生は、第1の人生と大きくこのフェーズが変わるわけで、自分のキャリアビジョンを考えながら複数のフェーズをどう組み合わせ、どう選択するのかが重要である。
キャリア=活動の二つの中身を考察したら、次は如何にそれを顕在化・明らかにするかという問題になり、ここでキャリア開発=Career development=キャリアデベロップメントという言葉の登場になる。VELOPとはまだ開花していない花の蕾のことで、DEは否定語、ということは蕾を開かせる、まだはっきりしていないことを明らかにする意味になる。
個々人のまだはっきりはしていないが潜在的に持っている何かを明らかにする、顕在化するということである。キャリア=活動なので、キャリア開発とは個々人の潜在化しているキャリア=活動を顕在化すること、活動顕在化ということになる。
ではキャリア開発=活動顕在化とはどのように行えばいいのであろうか。まず最大のマクロ考、宇宙の物理的大法則、フェルマーの定理によると、自然はすべからく目的指向的である。この定理の流れに則(のっと)り目的指向的考察~キャリアビジョンを考える。
キャリアビジョンとは、ある一定の年齢に達したときに自分がなっていたい姿、あるべき・ありたい、希望するキャリア(活動)の自己イメージ像のことである。手法としては、①フェーズ選択からのアプローチ②外的・内的キャリアからのアプローチを使用してキャリアビジョンを設定する。
次にこのキャリアビジョンを達成する方法は何であろうか。それは散逸活動である。自分で真剣に激しく行動し、周りのリソースを取り入れ周辺を散らかす~散逸するのである。例えば①対自活動・継続学習をする②交流かつメンター・ロールモデルを探す③交流の中からディベートグループを作る④イノベーションが起こる。
この散逸活動および期間はエントロピー増大活動・期間である。ただ同時に散逸駆動適応でもあり、結果、目標指向的なキャリアビジョンは達成される流れである。
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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