これにて私の研究報告は終了です。アカデミックな場から離れた私にとって、史実の細部を記したものなのか、史実混じりの小説に過ぎないのかを断言することは、人が思う以上に難しいことでございます。然し、今回のユンの話は真実か虚構かに関係なく、私達人間にとって大切なことを訴えかけてくるのです。  

それは欲望のまま生きることではなく、慈悲を施すこと、そして受けた恩を相手が誰であれ必ず返すこと、まさにギブアンドテイクの精神なのではないでしょうか。

如何なる場面でも実行できているかは、私でさえ怪しいところですが、私の中の絶対的な正義はこの思想なのではないかと思います。欲というのは人間の原動力にもなりますが、己を律することなく好き勝手に振り回せば、身を滅ぼすものでもあり、自戒の意味でも書かせていただきました。

ちなみに山茶花の全般の花言葉は「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」だそうです。また、赤の山茶花は「謙譲」「あなたがもっとも美しい」、白は「愛嬌」「あなたは私の愛を退ける」、ピンクは「永遠の愛」でございます。

 

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