【前回の記事を読む】剣術に縛られ、父に怯え、それでも未来を夢見た──戦争が終わり価値観が崩れゆく時代に、少年は父を越えようと立ち上がった。すると意外なことに反対はせず、静かにそうかと呟いた。然し、安心したのは束の間、父はこのように問いかけてきた。「それで学部はどうするのだ」学部に関しては深くは考えていなかった。というよりはどこの学部に行っても専攻はあれど、それ以外のことも学ぶ機会はあるわけだし、…
[連載]兎角儚きこの世は
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小説『兎角儚きこの世は』【第10回】白井 忠彦
「文学部に行くくらいなら就職しろ」と吐き捨てた父を、頭の中でぶちのめした。いざ大学に入学すると父は…
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小説『兎角儚きこの世は』【第9回】白井 忠彦
剣術に縛られ、父に怯え、それでも未来を夢見た──戦争が終わり価値観が崩れゆく時代に、少年は父を越えようと立ち上がった。
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小説『兎角儚きこの世は』【第8回】白井 忠彦
暴君となった王は、かつての気高き心を取り戻すことが出来るのか。握った刀の行き先は…。
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小説『兎角儚きこの世は』【第7回】白井 忠彦
民の希望を背負い堕落した王へ挑む最後の賭け――雨を呼ぶ導師がもたらす奇跡と、かつての聖君を取り戻そうとする家臣の覚悟
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小説『兎角儚きこの世は』【第6回】白井 忠彦
無実を主張する大臣を無視し、刀を抜き取り一切の躊躇なく切りつけた。明確な殺意を持って深々と。そして、男が口を開く。
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小説『兎角儚きこの世は』【第5回】白井 忠彦
おぞましい夢を見た。謀反が起こり、私は炎の中逃げていた。親衛隊は皆切られ倒れ…そこには官服を着た誰かが立ちふさがっていた。
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小説『兎角儚きこの世は』【第4回】白井 忠彦
「年貢を納めるのはお前達の義務だ。できないというのは国に反旗を翻すのと同じだ」そう言うと、棒で農民達を容赦なく叩き付け…
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小説『兎角儚きこの世は』【第3回】白井 忠彦
王宮の書庫に侵入すると、そこには王子が…自分はもう終わりだと思ったが、王子は異常に動揺していて―? なるほど、あの春画は…
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小説『兎角儚きこの世は』【第2回】白井 忠彦
父と重臣達が結託して母を廃位。追い込まれた母は毒を飲んで…
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小説『兎角儚きこの世は』【新連載】白井 忠彦
李氏朝鮮の時代、史上稀に見る暴君であったユン王。彼の過去には父に愛されない子ども時代があった...