また、描画の環境としては、絵本やお部屋の掲示物や玩具など、さらに色彩の配色を考慮した視覚的情報を考慮したり、興味があるもの、例えば虫や花が好きであれば図鑑を用意したりすることも大切だと思われます。
絵本の読み聞かせは、絵に関心を持つ良いきっかけになります。また、言葉を知らなくても、日常使われる言葉以外の言葉に触れる機会も増え、言葉の発達にもいいでしょう。さらに、言葉は絵の理解を促進します。
色の名前を覚えることは、色の理解にも有効です。そして、絵本の読み聞かせを通して、絵は人に自分が感じたこと考えたことを伝え合うものだということを、自然に理解できるようになることがとても大切だと思います。
また、絵本のキャラクターを好きになれば、子どもはそれを描こうとするでしょう。子どもは、これらを通してますます絵本や描くことへの興味を高めるでしょう。さらに、読み聞かせは、親子の信頼関係を形成します。安心と信頼は、子どもの成長発達の重要な基盤になります。
幼稚園実習の巡回で園に伺った時、園長先生が、「この園に来る子どもたちは、ここに入園(3歳頃)して、初めて絵を描く子が多いですよ」と仰っていました。描画は、クレヨンなどの描画材と紙があればできます。新聞の広告の裏でも構いません。今は、百均でスケッチブックが買えます。子どもが絵を描きたいときに、描ける環境があることは、この時期とても大切です。
私の息子が初めてフェルトペンを握って紙に描いたとき、ペンを上下に軽く動かしたり、少しペン先をずらしたりしました。するとそこに点や線の痕跡が表れました。その時、息子は幾つかの点や短線を見て顔を左右に震わせ驚いた様子でした。その後、なぐり描きを続けました。それは、息子の生まれて初めての描画体験でした。
これは、息子が歩き始めた時、私がテーブルに紙を置きフェルトペンを用意し、「描いてみる?」と言ってペンを手に持たせ描かせた時の様子です。息子の顔が少し震えた出来事は、私自身にとってはうれしい発見でした。
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