「ええ、何故ミッキーなんだ?」
「ミキオだから、ミッキーでいいだろう。皆、外国人みたいな呼び名が呼び易い」
「それじゃあ、オマエはツトムだから、トムだな」ジョンが言う。
「トムか……、なかなか良いじゃないか! あとはイトウ、オマエだ」
「ジョーでどうだ? 巨人の長嶋監督が憧れていた、ニューヨーク・ヤンキースの往年の名プレーヤーがジョー・ディマジオだよ。背が高く、ハンサムのスラッガーだったらしい。イトウはハンサムだから……」と僕は言った。
「何だか、よくわからないが、ジョニーとジョンがいるなら、オレはジョーでも何でもいいよ」
「よし、決まりだ。ジョーにジョンにジョニー、そしてミッキー……、皆をそう呼ばせてもらうよ! ジョニー、オマエ、副班長をやれよ! 別に、副班長なんか、やることなど何もないから、いいだろう?」明るくトムに言われると、断るのも面倒だった。
「ああ、わかった。やるよ」僕は答えた。
「自己紹介と班長、副班長決めは終わったかな? 概ね終わったようだから、それぞれの班長が、班員の紹介など、簡潔に話してくれ。まずは一班から」と担任の先生は言った。