クッキー ピンチ! 2012年11月13日 クッキー5才8か月

クッキーに、およそ半年ごとのヒートが巡ってきました。その間は、散歩でも、なるべくヒトやワンコと接触しないようにしています。広い原っぱなら、まず、大丈夫。

その日も、原っぱの片隅で遊んでいました。ふと見ると、向こうからおじさんを引っ張りながら、茶色のワンコが、クッキーめがけて突進してきました。

大きな顔、がっちりしたガタイ、40か、50キロはありそうなデカ男くん。やってきた彼は、クッキーにお近づきになりたくて必死。彼がクッキーに飛びつかないように、おじさんが、なんとかふんぞり返ってリードを握っている。

デカ男くんは、大きな口からよだれをたらし、うめき声ともなき声ともつかない声を絞り出して、クッキーに迫っている。「遊びたいんだね」とおじさん。

頭をブルンと振ったデカ男くんのよだれが、カアサンの髪の毛に飛びました。悲鳴はなんとか呑み込みました。

クッキーは怖がって、抱いてもらおうとトウサンの膝に何度も飛び乗ろうとするけど、トウサンは、その度に地面に降ろしてしまう。遊ばせようってこと!?

たまらず、「抱いて!!」と、トウサンにきつく言って、トウサンも、やっとクッキーを抱いて立ち上がりました。

デカ男くんは、トウサンの体を支えに立ち上がって、下から突っついている。「女の人だと、ひっくり返っちゃうことがあるんだよね。力が強いから」と、おじさん。

……トウサン踏ん張って!!

やがて、デカ男くんとおじさんは、あまりウェルカムでないクッキー一家を見限って、引っ張り合いながら退場しました。カアサンがクッキーのピンチについて文句を言うと、トウサンは、「あー、そうか」と、やっと気づいた様子。

やれやれ、おじさん族というのは、なんと脳天気なこと(失礼)。

それから数日後、静かな住宅街を歩いていると、道路脇の家から出てきた、おしゃれな洋服を着たチワワくん。クッキーを認めるなり、切ない声で鳴きながら、追いかけてきました。クッキー一家は、逃げる! 逃げる! チワワくん、ごめんねー。

そして、ひと月かふた月後には、クッキーは、多分、ボールベビーを大事に世話しているでしょう。以前は赤か青のボール、前回は、赤と青のボール2つ、つまり双子でした。今回は、黄色のボールでも加わるのでしょうか。

 
 

次回更新は8月3日(日)、18時の予定です。

 

👉『明日も一緒よ、クッキー』連載記事一覧はこちら

【あなたはサレ妻? それともサレ夫?】「熟年×不倫」をテーマにした小説5選

【戦争体験談まとめ】原爆落下の瞬間を見た少年など、4人の戦争体験者の話を紹介