【前回の記事を読む】水路に勢いよく飛び込んだクッキー。残念ながら彼女の初泳ぎは見られなかったがもしかしたら彼女は泳げるのかもしれない
食べたー? 2011年3月8日 クッキー4才0か月
クッキーが、長時間の留守番をしていた当時のことです。
朝、出かけるときに、彼女の好きな市販のおやつ、そしてニンジンスティックをケージに入れていました。11~12時間、お留守番だから、しっかり食べてね。
ところが、夜、トウサン・カアサンが帰宅した時点で、おやつなどを残している日が時々ありました。
というよりも、帰宅してケージのトビラを開けた時に、普通ならカアサンに向かって突進して熱烈歓迎会を延々とするはずのクッキーが、一度カアサンに飛びついてからケージにすっ飛び戻ってケージ内に敷いた毛布をひっかき回し、おやつなどを探し出してくわえてくると、ガリガリとむさぼり食べる。歓迎会はその後、ということが時々ありました。
彼女は、おやつが残っていることをちゃんと知っている、お腹が空いている、なのに、食べないでいたのです。トウサン・カアサンは、ただ、呆気にとられてしまう。
トウサンの説は、危機管理。いつ食事を貰えるかわからないから、“貯食”しておいて、安全とわかってから食べるのでは?
そうだとしたら、すごい! 彼女の何代も何代も前の、はるかな祖先の知恵だか本能だかが、食べ物に何の不安もない、平和な時代に生きる彼女のDNAとして受け継がれているのですから。
でも、そうでないことは、トウサン・カアサンがサラリーマンを辞めてからわかりました。
トウサン・カアサンは、退職後、プライベートな用事や遊びに二人揃って出かけることを、極力減らしてきました。もちろん、クッキーに寂しい思いをさせないために。
クッキーは事務所でも一緒なので、彼女が留守番をする機会はめっきり減りました。
それでも、当然ながら、仕事やプライベートで二人揃って出かけることもあります。
ある日、朝から出かける用事がありました。先に食事をさせる時間がなかったので、ケージの中に、“カリカリ+ササミ”のごはんを置いて出かけました。
夕方遅く帰ると、彼女は、ごはんに全く口を付けていませんでした。例のとおり、カアサンを熱烈歓迎しながらも、ごはんの方も気になっている様子。
カサカサに干からびたササミを食べようとするので、すぐに新しいごはんに替えてあげると、ガツガツとむさぼり食べました。
昨夜から何も食べていないのだから、さぞかしお腹が空いたことでしょう。それでも、彼女は、食べないでいた、というより食べられないでいたのです。これは、もう“貯食”なんていう格好よい行動じゃなくて、単純に不安な気持ちで食欲が閉じ込められていた、としか考えられません。
クッキーや、もっと図太く! もっとワイルドにね!
