商売人の家系に生まれて
本題に入る前に、私の今までの人生について、簡単にお話ししておきましょう。
私は小さな田舎の町で生まれました。
実家は代々商売人の家系で、父も母もそれぞれに商売をしており、女二人姉妹の長女だった私は、幼い頃から「お前は、将来は婿をとって家業を継ぎなさい」と言われて育ちました。
「商家の跡継ぎ」と言われて育った私が、自分で店を開いたのは、もともとそれほど体が丈夫なほうではなく、「自分の店なら、育児をしながら、そして体力と相談しながら、無理なく自由に働けるのではないか」と考えたためです。
しかし、それは大きな間違いでした。
むしろすべてを自分でやらねばならず、店の休業日には仕入れに行かなければならないので、とにかく休みというものがありません。
子どもたちの世話をしなければならない土日に店番をお願いしたいと思い、アルバイトを雇っても、「連休は休みます」と言われたり、突然「今日は行けません」という連絡が来たり
することがしばしばありました。
お金を使い込まれたことや、以前アルバイトしていた子が、なぜか万引きをしに来たこともありました。
また、私は商売に向いていませんでした。
幼い頃から「商売人になること」を求められ、それが自分の役割だと思って生きてきたし、実際、お客様にサービスをすること自体は好きでした。
でも、自分の中に「お金を稼ぐこと」に対するブロックがあり、「お客様に積極的に商品を勧め、売ってお金をいただく」といったことに、違和感があったのです。
接客に苦手意識はあったものの、それでは商売として成り立ちません。
そこで私は、接客が苦手でも商品が売れる方法を見つけるため、顧客心理や購買心理を学びました。
さらに、お客様にお店を知ってもらうため、広報活動に力を入れるだけでなく、商店街の活性化に協力したり、地域のボランティア活動などに参加したりもしましたが、そうした努力はなかなか売上げに結びつきませんでした。
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