プロローグ
自分自身が変われば、起こる出来事が変わり、周りの人が変わる
みなさん、こんにちは。キャリアコンサルタントの森享子です。
私は、以前大学で心理学や経営学、キャリア形成についての研究や講義を行っていました。企業のメンタルヘルス相談員としての仕事はずっと続けています。
私がこの本を通して、みなさんと一緒に考えていきたいのは、「心を幸せにするための方法」「人生をポジティブで楽しいものに変えるための方法」です。
タイトルに惹かれてこの本を手に取った方の多くは、自分自身を好きになれない、ネガティブな出来事がよく起こる、理不尽な目によく遭うなどの経験をお持ちで、現状に満足できておらず、「幸せになりたい」と願っていらっしゃるのではないかと思います。
私も同じです。
私はずっと「幸せになりたい」と思ってきました。
幼い頃から、理不尽な目に遭い、「どうしてこんなことが起こるんだろう」と悩むことが多かったからです。
その答えを探すために、そして幸せになるために、40代になってから本格的に心理学の勉強を始め、さまざまな本を読み、さまざまな人の話を聞き、最終的に私がたどり着いた結論は、
「今まで私が『理不尽だ』と思っていたネガティブな出来事は、全部自分が引き寄せていたものだった」
「物事のとらえ方を変えて、心の中を幸せな状態にすると、起こる出来事が変わり、周りの人たちが変わり、世界が変わる」
というものでした。
おそらく、この結論だけ読んでも、みなさんはにわかには信じられないでしょう。
かつての私も、成功哲学の本などによく書かれている、「思いが現実を作る」という言葉が理解できず、「そんなこと、あるはずがない」と思っていました。
しかし、今ならその言葉の意味がわかります。
私は数年前、ある出来事に大きなショックを受け、ひどく落ち込んだことがあるのですが、それをきっかけに「もうこんな自分は嫌だ」「ネガティブな自分は、完全に捨ててしまおう」と決心しました。
以後、「心を幸せにするための方法」「人生をポジティブで楽しいものに変えるための方法」をさらに真剣に模索し、実践した結果、理不尽な出来事、ネガティブな出来事がまったく起こらなくなり、不思議と、楽しいことばかりが起きるようになりました。
以前、家族のことや仕事のこと、人間関係などで悩んでいたのが嘘のように、今は幸せで平和で心穏やかで、ご機嫌な毎日を送っています。
幸せになるために必要なこと。
それは、「幸せな自分になる」「ポジティブで楽しい人生を歩む」と決断すること(正確には、「私はすでに幸せである」「ポジティブで楽しい人生をいま歩みつつある」と心の底から思うこと)。
そして、毎日、ちょっとした訓練を続けることです。
訓練といっても、特別なことをするわけではなく、時間もお金もまったくかかりません。
この本では、そんな、私なりにたどり着いた「幸せな自分になるための方法」を、みなさんにお伝えしたいと思います。