コロナに対する初期対応から、それに続く流行期の対応に対し、新聞、テレビ、SNS等、いろいろな方面から我々医療者に対する様々な批判が寄せられた。また医療従事者およびその家族への謂れなき差別も行われた。それらは我々を苦しめたが、同時に同じ量の医療者への感謝の言葉と、支援をいただき、勇気づけられもした。

その中で私は、この状況が落ち着いた時、我々医療者が集団としてどのようにしてコロナと戦ったかを記録として残したいと考えていた。

今回のコロナ禍は人類にとって、新型コロナウイルスという未知の病原体に対する挑戦であった。

姿の見えないウイルスに対し、診断と治療の臨床経験の積み重ねを通じて、全国の医療従事者が全国の、また全世界の知見を集積して非常なスピードでその全容を解明していった。様々な試行錯誤、蹉跌(さてつ)はあったにせよ、コロナとの戦いにおいて我々医療者がその本筋を誤ったとは今も思っていない。

神奈川においても治療体制を構築するために奔走した人々、現場で診療にあたった人々、地域外来検査センター、在宅療養、臨時宿泊施設、緊急酸素投与センター等で患者の支援にあたった人々、予防接種事業等新型コロナウイルスとの戦いにかかわった多くの人々がいた。

 

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