【前回記事を読む】「はぁ? なんだよ、あれ…!!」突如、巨大生物が現れた。その背中には、地面だと思っていた木や建物…陸地が、そのまま乗っかっていた

第二章 旅立ちと仲間

綺麗だ

「土砂崩れ……? 嵐でも来たの……?」

ティーナは急いで地図を確認した。

ここ以外に通る道……だめだ、全部山でふさがれてる。旅立つ前に読んだ、ナギサが遺していた手紙。それには、ウィングフィールドにまで行く道は二つあると書かれていた。一つ目が今まで通ってきていた、太平洋側のルートを通る比較的安全なルート。

だけど、目の前のこの道が塞がれてしまっていると、このルートは使い物にならない。一つ目のルートは、この道を通る以外にないのだ。となると、二つ目のルートを通るしかない。

しかし、二つ目のルートには狂暴な猛獣がたくさんいて、冬になると雪が激しくなり、命を落とす危険性がある。そして、誰にも知られていない危険な秘境があるのだという。そのルートを通っていかなければならないのだ。

「ティーナ、ここ以外に通る道ってないのか?」

そう聞いてくるログに、とても申し訳なく感じた。ここまで進むのも大変だったのに、さらに危険な道に進むことになる。

「……東京方面までUターンして、日本海側を通っていくしかない」

「日本海って……雪とか、やばくねえか?」ログは動揺を隠しきれていない。三百年前でも、日本海側の雪害は酷かったという。だが、それから月日が流れて、さらに酷くなったのだ。下手すれば、眠っている間に雪に埋もれて死んでしまう。

ティーナは、何も言えなくなる。

「……まぁ、なっちまったもんはしゃーねえ。ちょっと戻ろうぜ?」

ティーナは、わざと明るくふるまうログの姿を見て、ありがたさと共に、罪悪感が体を伝った。