【前回記事を読む】星を見ながら楽しそうに話す彼女を見ると、笑みがこぼれた。何故かはわからないが、ただ「綺麗だな、って思って」

第二章 旅立ちと仲間

綺麗だ

「だーかーらー! 宇宙人はいるんだって!」

「いや、いるわけねえだろ。見たことあるのかよ、お前」

「だって! ロボットとか空飛ぶ車とか作れるくらい文明は発展してたんだよ!? 宇宙人の一人や二人、見つけてたっておかしくないじゃん!」

「宇宙人いたならいたでとっくに地球にその存在自体が知れ渡って、お前がよく話してる『ナギサ』にも伝わってるだろ! でもそのナギサが知らないってことはいねえって事とほぼほぼ同義じゃねえか! そもそもなんだよ、空飛ぶ車って!?」

「ゔ……きっといるもん!」

「じゃあ、ナギサはなんて言ってたんだよ。ナギサが一番文明のこととか詳しいだろ? お前が知ってる文明のこととかは、だいたいナギサに教えてもらったんだろ?」

「えっと、確か……そういう事はずっと議論したい派だ、って言ってたよ」

「……大人な答えだけど、答えになってなくねえか?」

「だよね。んで、結局どうしようか」

「なにを?」

「ここで寝るか寝ないかだよ」

「ああ、そう言えばそれで言い争ってたんだっけ……もういいや。ここで寝てくか」

寝るか寝ないかの言い争い、折れたのはログだった。ティーナはいつでもどこでも何度でも、すぐに眠れる。ログが折れた瞬間に、「おやすみ」と言い、木に寄りかかって眠り始めた。「おやすみ」と言ってから寝るまでにかかった時間は、恐らく三秒ほど。ここまで早いと気絶しているんじゃないかと疑ってしまう。