私は、周りを見渡すと、ビールを注文した。教員は、ゴルフ場で、昼にアルコールを飲むことを自粛しなければならない。同業者がいるとチクられたりして面倒だ。見当たらなければ、1杯のグラスビールで幸せな気分になる。
そのこともあり、私は教員とゴルフをするのを面倒に思い、機会が非常に少ない。桔梗さんもビールを頼んだ。木下さんもビール、梅原さんは、冷たい日本酒を飲んだ。
打ち解けてきたところで、いろいろな話が出たが、二人とも本当によい人で、彼女のことを詮索するような質問はしなかった。私はといえば、詮索するような質問をしたかったが、もちろんできるはずもなかった。
その日のスコアは、私は78、桔梗さんは84だった。負けなくてよかったが、自分のクラブのプレーで、5打しか違わないということは、慣れないゴルフ場でプレーしたら、負けることもありそうだ。
帰りの車で、そのことを言った。
「今日は、たまたまよかっただけよ。皆さん親切なので、気分よくプレーできたわ。車で送ってくれたり、いろいろ面倒を見てもらったり、助かりました。ありがとう」
「よかった。また、一緒にゴルフしよう」
「是非お願いします」
帰りの彼女の服装は、膝上のスカートに白のパーカーだった。話しながら彼女を見る。どうしても脚が目に入る。