【前回の記事を読む】「二度と悲しい思いをさせない!」妻と仲直りをし、また穏やかで楽しい毎日が戻ってきた。はずだった…

第十二章 悲しい、辛い出来事

【涼真編】

トイレに立って出たら、果歩がいた。

「どうした?」

「ねぇ、二次会終わったら、少し時間をもらえない? 相談があるの」

「……いいけど。二人で?」

「ええ。いいかな」

「二人はまずいんじゃない」

「何で?」

「僕は結婚しているからな」

「相談だけだよ。奥さん怖いの?」

「そ、そんな事はないけど……」

「終わったら地下にバーがあるの。そこでね」

「……ああ、分かった」

何か美樹に後ろめたい気持ちだ。同級生だし相談に乗るだけだしな。いいか! 少し嬉しい。

閉会になり、四人は圭司の知り合いのバーに三次会に行った。圭司に事情を話して、僕も後から行くからと別れた。

地下のバーに行くと果歩がいた。少しドキドキしている。綺麗だ。少し酔いが回っている。

「待った? ごめんね。悪仲間は三次会に行った。楽しかったな。久々に高校生の気分に戻れて」

「ええ、楽しかったわね。女子もほとんど参加していたのよ」

「そうか、五年ごとにクラス会を開くそうだ。楽しみだ。アハハハハ。ところで果歩、相談って何?」