俳句・短歌 歴史・地理 歌集 歴史 2020.09.02 歌集「風音」より三首 歌集 風音 【第5回】 松下 正樹 何気ない日常にある幸せを探しに。 優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 蝶が舞う蜂がぶんぶんすれ違う 春らんまんの菜の花の庭 日もすがら春の嵐に湧きたちて 揉みあふ若葉 里山ゆする 吹きとほす一日無頼の春嵐 マンション・ベランダに干し物見えず
小説 『不確かな真実』 【新連載】 和亭 正彦 都内のマンションの一室で無残な姿で発見された女性の遺体。捜査本部は容疑者と思われる人物の特定を急ぐが… 凄惨な事件であった。新年早々の一月八日、新宿を起点として東京、神奈川を貫く東神電鉄の西城公園駅にほど近い瀟洒なマンションの一室から女性の遺体が発見された。遺体には、鈍器で殴られたような後頭部の陥没と胸部に致命傷になったと思われる数カ所の刺し傷があったが、傷はそれだけではなかった。大きく切り裂かれた腹部からは、まるで腑分けをしたかのように内臓の一部が体外に引きずり出されており、皮膚がめくれ返った首…
小説 『終恋 [人気連載ピックアップ]』 【第9回】 高生 椰子 賞味期限切れ、長い間バージンロード、下腹ポッコリ、垂れた貧乳…そんな私に元カレが「あなたの懐かしい温かさを感じたい」 【前回の記事を読む】うつ&自己免疫疾患で37キロ。死を覚悟した私は、もう一度彼に会いたくて呼び出した。だが再会はたったの10分。彼には妻子が…最後のメールに私は返信をしなかった。以前に勤務していた病院ですでに看護部長だった私は部長経験が少ないこともあり、業務をこなすのが精一杯で娘の声を聴く余裕はなかった。一緒に死んであげれば良かった。今となっては悔やむだけだ。それから2年間、携帯は持てなかった。…