主要登場人物
エパミノンダス テーバイの将軍
ペロピダス テーバイの将軍でエパミノンダスの親友
カロン、メネクレイダス テーバイの民主派
パンメネス、ダイハントス、イオライダス エパミノンダスの弟子
イスメニアス テーバイの外交使節
アゲシラオス スパルタの王(エウリュポン家出身)
クレオンブロトス スパルタの王(アギス家出身)
アルタクセルクセス二世 ペルシア帝国の大王
アレクサンドロス フェライの主僭(せんしゅ)
フィリッポス マケドニアの王子

第一章 テーバイの解放
紀元前三七九年冬。雪のちらつき始めたギリシア中部ボイオティアの野を、北に向かい駆け足で突き進む十二名の猟師の姿があった。
猟犬たちは主人らの放つ殺気を敏感に感じとっているのか、みな猛(たけ)りたち、しきりに低い唸り声を上げている。