毎日曜日、寮母さんは教会に通っていた。いわゆるクリスチャンだった。
一度教会へ行ってみましょう!と勧められ、好奇心もあり一緒に教会に行ったのだった。寮母さんとはかなり親しくなり、いろんな話をしたり、旅行に行ったりした。
50歳違いの大の友人として深く心に残っている。私に大きな夢を与えてくださった。
そんなとき、「私にしかできないことってあるかしらね?」と聞くと、随筆を書きなさいと言われたことは忘れない。
燃えていた恋も、相手の男性は25歳くらいで、奥様とお子さんもいらした方だったので、ご家族に申し訳なく思い、結局、別れた。私は19歳。ほんの4、5か月間の出来事だった。
会社も辞め、教会の紹介で住まいも勤めも変わり ひとり生活が始まった。新宿大久保。
「土曜は市川まで教会学校に通い、大久保に帰ってから教会のトイレそうじ」
「夜は教会に泊まり」
この生活が何年か続いた。おかげで聖書についてはかなり学ぶことができた。
20代になった私は、正直一番は結婚を夢見ていた。しかし、今話題の統一教会ではないが、牧師が決めた人と結婚しなければならなかった。
ところがなかなか―― 、年ばかりとって、ああもう私には無理!!と教会に通うのをやめた。住まいも変わった。とにかく自由になりたかったのだ。
しかし、やっぱりひとり生活は大変。本当にひとり。なぜか苦しく、明日があるのがいやでならない。本当に明日があるのがいやだった。
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