私は、ひとりで生活してみるということはとっても大切なことだと思います。ひとりでなければ考えない、いろんなことを考えます。もちろん、自由も大きいです。

いざ、このコロナの時代を経験して、さすがにひとりは心細い方が多いのではないでしょうか。

第一章

ひとりで生きてゆけるかな

書くこと。が生きがいになるのであれば、ひとりで生きていけそうな気がする。

18歳で東京に出た。赤い服を着ただけで、あの娘、すごい派手な服着て……と言われる田舎の世間の狭さ、にうんざり。

そんな自由のない所にはいたくなかった。ちなみに、長野県上田の過疎地だった。

18歳まではおとなしく、何を考えているかわからない人に見えたようだ。都会に出た私は、羽根を広げ飛び立った気分であった。

せめて洋裁でも身につけよう!

そう、ひとりで生きていくためにも。と、ワイシャツ作りの会社に入った。そこで、初めてときめく恋。ドキドキして仕方なかった多情多感な19歳。

しかし、いわゆる不倫をしたのだった。

会社の玄関を少しずれた所から二人でタクシーに乗ったあのスリル感は、まるでヒロインのようで忘れることはできない。

しかしながら、理性と感情の戦い、苦しさのあまり、寮母さんに相談したのだった。

寮母さんは当時70歳で、毎晩の食事を作ってくださっていた。たまに話をするくらいだったが、寮母さんだったらきっと話を聞いてくださると思ったのだ。