当時の解決策

解決策はもちろんありました。

「フルトラッキング」でVRChatを行うことです。

フルトラッキングとは文字通り、全身にトラッキング装置(モーションキャプチャー)を付けてVR空間上で全身を動かせる状態にすることを指します。

通常は3点トラッキング(HMDとコントローラー注1)で上半身(頭・右手・左手)のみ自由に動き、首から下の部位は基本的に頭の動く向きに追従して動きます。

対してフルトラッキングでは追加で腰・右足・左足にもトラッキング装置を装着し、VR空間内で全身を自由に動かせるようになります。

これを使えば姿勢制御の仕様の壁に悩まされることなく、ダンスもできるし、綺麗にベッドでVR睡眠を行うこともできます。

ただし非常に高額かつ、入手困難なトラッカー(足とか腰につける装置)一式を揃えられればの話ですが……。

当時フルトラッキングになるためには、トラッカー複数個の他に、そのトラッキング情報を取得するためのベースステーションというものが必要で、その値段はこちらになります(viveトラッカーの販売元のHPから〈2023年11月時点〉)。

【1個あたりの値段】

トラッカー:19000円(消費税別)

ベースステーション:25000円(消費税別)

【最低限必要な個数〈使っているVRヘッドセットがMetaQuest2の場合※筆者の場合〉】

トラッカー:3個

ベースステーション:2個

合計金額は………………164000円(消費税別)

高杉ィィィィィィィィィィィィィィ!!!(誤字じゃないです)

VR睡眠のためにこれ買いますか? 買えますか?

もちろんもっと安価かつ手軽にフルトラッキングを実現するための商品も出てはいますが、商品補充の度に抽選が行われ、いつ手に入れられるかわからない状況(大人気!)。

そしてTKSPさんはこの現実に直面……。


注1 3点トラッキング(HMDとコントローラー):HMD(ヘッドマウントディスプレイ)と両手のコントローラーの計3機材を用いて位置情報を取得し、バーチャル上の空間に反映する手法のこと。位置情報取得機器(トラッカー)が増えることで6点トラッキング、10点トラッキングと精度が増していく。

 

次回更新は6月7日(土)、8時の予定です。

 

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