そして、子供が産まれた。産後1ヶ月くらいの間、勝也達は紗香の実家で生活し、勝也はそこから自転車で出勤しクタクタの身体で帰っていた。往復2時間の道のりだ。
そして約1ヶ月後、自分達の家に戻った。当然、子供の世話を手伝うという名目で妹も付いてきた。通うのではなく長期の住込みだった。今更だが、最初から断るべきだったのだ。
勝也も紗香も甘えていただけだ。紗香は仕事もしておらず専業主婦だったので、妹に頼らず頑張るべきだったと思う。だが、当時18歳になったばかりの勝也達にはそこまでの知恵はなかった。
そして勝也が18歳になったタイミングで入籍の手続きをし、二人は本当の夫婦になった。朝晩には肌寒くなる秋頃の事だ。
その後直ぐに二人目の妊娠が分かり、これから先の事を考え、転職を考える様になった。勝也は取り消しになっていた免許を取得し、紗香のおじさんに相談した。おじさんはウチに来て仕事を覚えて独立しろと言ってくれた。
しかし当然見習いからのスタートなので給料は激減してしまう。おじさんは身内だからと通常より高い日当を出してくれたが、それでも勝也の収入は今までの半分以下。
勝也はおじさんに、前職の仕事をバイトとして続けながら雇ってもらうようにお願いした。週に3日から4日は深夜2時から朝6時まで前職のバイトをして、その後に建設現場に向かう。そんな生活が始まった。
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