Chapter2. 人生が変わってしまった事故

事故発生~集中治療室へ

事故後すぐに私は、ドクターヘリで火傷治療に強いと言われる某大学病院の救急救命の集中治療室(EICU)に搬送されました。もう1人の方は救急車で別の病院へ運ばれたと聞きました。

ぶつかる瞬間の記憶は全てなく、今でも事故前後のことは思い出せません。着ていた服はまっ黒焦げになっていたみたいで、頭も火傷していた為髪の毛は剃り落としたそうです。

事故直後に、病院から電話で「すぐ来てください」と夫に連絡があったみたいですが、夫は大したことないと思っていたらしく、仕事が終わってから病院に行こうと思っていたところ何度か電話がかかってきて「いつ来れますか? 今すぐ来てください」と言われたようです。

病院に着くと「あれが奥さんです」と告げられたそうですが、真っ黒焦げになっていて誰かも分からない状態だったみたいです。

それから数日、顔や身体がパンパンに腫れ始めて、見たことないぐらいに腫れすぎて、どこの誰かも分からないほどホントに酷い顔になっていたとの事でした。医者からは、言い方は悪いですが「茹でダコみたいな感じ」と説明があったそうです。

私はその時全く意識がない状態で、目が覚めた時に火傷の痛みに耐えられないとの事で薬でしばらく眠らされていました。

意識がない間も何度か手術が行われていたらしく、1~2週間おきに皮膚移植の手術が行われていたそうで、痛み止めは一番強いモルヒネを使っていた事を聞いて驚きました。モルヒネの副作用なのか、たまに夫に向かっておかしなことを言ってしまう時もありました。

私は事故後ドクターヘリで運ばれた時に意識がなかったので、全然覚えていないですが、まさか自分がドクターヘリで運ばれるなんて思ってもなかったので、とても貴重な体験をしたんだと思うと、意識がある時に運ばれてみたかったな、なんて思います。

それだけ深刻な状況だったのかもしれませんね。