川崎 きっとすごく付き合いたかったんですね。あこちさんはYouTubeをやられていますよね。何がきっかけで始めたんですか?
あこち そうなんです。病気を友達にカミングアウトした時に「同級生にそういう子が一人いたな……」って言う子がチラホラいたんですね。いつも学校で眠そうにしていた「その子」は今どうしてるかな、大丈夫かなって思っちゃったのがきっかけです。
川崎 僕が調べた時には、既にあこちさんの動画がいくつかUPされていましたよ。そういえば、診断がついてからYouTube始めるまですぐじゃないですか?
あこち そうですね。実は私の居眠りがナルコレプシーかもしれないと知人に言われたんですよ。慎重派の私はネットで三ヶ月くらいずっと過眠症について調べ漁りました。その時、専門用語の多さや、同じ内容しか書いていなくて「本当に私は過眠症なの?」と疑ってしまったことがありました。
また、そういった情報のほとんどが文章だったんです。仕事や家事の合間にスマホの画面にかじりついて調べるんですが、眠くて寝てしまって……。気になって睡眠時間が確保できなかったりと、まるで負のループでした。
川崎 確かに数年前までは、専門機関や患者会の情報が多くて、ブログでの情報が唯一の当事者情報でしたよね。専門用語で説明されても、意味分からなくて眠くなりますね。当事者のブログはブログで、文字ばかりで眠くなるのも分かります。
あこち せめて家事をしながら、当事者の話が聞きたくてYouTubeで探したのですが、お医者さんが話す動画しかなくて、ヤキモキしたので「なら私がやる!」とほぼ半ギレで「動画」というコンテンツを選びました(笑)。
川崎 お医者さんが話す動画ね。ためにはなるけど、あくまで当事者じゃないですからね。じゃあ最初の動画は半ギレで撮影したものだったんだ。これまでの反応はどうですか?
あこち 反応は良くも悪くもあります。応援してもらうことの方が多いですが、たまに心無いことを言われたりもします。
川崎 女性だと、顔出しってそれなりにリスクもありますもんね。わざわざ、悪口言う人は見なければいいのにね。
あこち そんな中でも一番嬉しかったのは友人から、「私も持病があって、でも頑張ろうって思えたよ」と言われた時ですね。そういった反応があったことに驚きつつ、誰しもが何かしらの持病があっておかしくないと気づくことができました。
川崎 病気と向き合っているあこちさんの言葉だから心に届くんでしょうね。