【前回の記事を読む】依存症は、基本的に薬がなく、最終的には自分で止めるしかない。自分で離れ、別の何かで気持ちを変えていくしか、方法はない。
第一章 元気になるってどういうこと?
元気と病気の関係 元気になるって結局どういうこと?
今時の閉鎖病棟事情
精神科には、多くの場合、閉鎖病棟があります。閉鎖病棟と聞くと、こわいイメージを持たれる方も多いと思いますが、現在の閉鎖病棟は私が体験した5か所の病院ともとても快適なものです。
よく想像される入院とは全く違う明るいものです。あたりまえですが3食のご飯がバランスを考えられて出てきます。クリスマスやお正月、バレンタインなどには行事に合わせた食事も出されます。
そして体温や血圧を測ったりしますが、あとは基本的に自由です。ぬり絵をしたり、雑談をしたり、体操したり、最近の病棟ではスマホや音楽機器も持ち込めるところも増えたので、音楽を聴いたり、SNSをしたり、ゲームをしている人もいます。
トランプなどの懐かしいゲームや、将棋や囲碁なども大抵の病院には揃っているのでみんなで一緒にやっています。
漫画や本、雑誌も置いています。人によっては退院したけれど、居心地が良くてまた戻ってきてしまう人もいるくらいです。
ただ、どこの閉鎖病棟にも、隔離室(保護室)というものがあります。
この部屋は基本的に監視カメラがついており、自分では流せないトイレの便器とベッドしかありません。隔離室とは自分では抑制ができなくなった人が入り、冷静になるまで休むという文字通り隔離される場所です。